封印(遙か3;2次創作)
2005年10月1日 遙か 2次創作強くならなきゃいけない、
泣いてはいけない、
此処は戦場だから。
私は、神子だから―
「―かのものを封ぜよ。」
眩い光と共に怨霊は消え失せて、私に少しの罪悪感を残す。事実上初めての怨霊封じ、でも、本当は何度もやってきた。
宇治川の戦い―
私はあの人を救う為に、もう一度やり直す。この時から―
「私が白龍の神子です。」
私は彼の前で言う。
―
「龍神の神子なんておとぎ話じゃないのか?」
その声を聞きたくて、彼を見た瞬間、私は涙が溢れ出そうだった。
でも私はそれをぐっと我慢して、彼に頼む。「戦いに連れていって
くれ」と勿論、彼は反対するだろう。
それでも私は彼に付いていく、嫌われても良い、彼が生きていれば
良い。
多くの人を斬って、私の手は血にまみれる。赤く染まった私を抱き
締めてくれる人など居ない。
「望美!探したぞ。」
彼は私の手を無邪気に掴む、私は顔を見せたくなくって、背けた。
だって、私の顔はきっと、
「血だらけじゃないか。」
彼はそう言って、白い袖で私の顔を無造作に拭いた。
「戦場に出したのには俺にも責任がある。怪我はないか?」
私は答えられなくて、首を横に振った。
「望美は無理はしなくて良い。」
「してないっっ。」
「してる。」
「し…てないっ。」
私は頑に言う。
パンッッ、私の頬に軽い衝撃。
「人を斬ることを辛くないと思う人はいない。」
私は九郎サンに頬を叩かれていた。涙は出ない、只驚いた。
「…くろ‥うさん…?」
「俺だって‥辛いんだ‥兄上の為とはいえ、無関係な人まで戦で死
んでいく。」
私は頷く。九郎サンの気持は解る、痛ましいほど…この人も又、手
を血に染めてきたのだ。私よりもずっと前から―生にしがみついて
、肉親の為に。
「―ごめんなさい。」
私は思わず謝った。打たれた頬が痛む、それは彼の心の痛さ。
「謝らなくて良い、悪いのは俺だ。お前は女なのに…」
心をいくつにも分けられないし、一気に色々考えられない。
「そ・それに―」
九郎サンはそんな未熟な私に言葉を紡ぐ。
「お前は一応‥俺の許…嫁だからな。」
彼は顔を真っ赤に染めて言う。一方通行の気持は繋がる時が来る。
「特別扱いしても良いだろう?」
それでいて、とても強引なんだ。気持が此では溶けてしまう。この
人は簡単に私の中に入ってきてしまう。
「‥九郎サンは…ずるい。だって無垢なんだもん、一途で真っ直ぐ
で‥私は脇見ばっかりで、一つのことを考えられない。」
私が逃げようとすると、九郎サンは私の袂を掴む。
「な…何?」
「ずるいのはお前だ、そうやって、逃げて答えを言う機会を与えな
い。俺だって言いたいことがあるんだ。」
強い光を放つ眼差しに私はかなしばりにあったように動けなかった
。いままでが崩れ落ちるようで。怖かった。
「私は…逃げてない。だから此処にいるの‥九郎サン」
「俺にはお前が戦うことで…」
「‥っ言わないで…解ってる…」
私はもがいて必死に九郎サンから逃げようとした。そんな私を彼は
強く抱き寄せる。
彼が起こした行動に私は心底驚いて、少し上にある彼の顔を見た。
彼の顔は照れたように真っ赤で、その表情がとても私には可愛く見
えて、でも彼の出す声はきっぱりとしていた。
「‥神子で有ろうとしているように見える。俺は、お前が神子で無
くても、一緒に戦いたい。」
「‥こんな…血だらけでも?」
私の目には涙がいつの間にか溜っていた。
「…一緒に戦ってくれるか?」
「私で良ければ、私で良いなら。」
私は泣いている顔を見られたくなくて、うつむいて返事をした。
「なっ・泣くな。泣かせるためにいったんじゃないぞ。」
九郎サンは慌てて私にそう言った。その言葉がとても彼らしくて、
私はそんな彼がとても好き。
私は所詮人間で弱いから、誰かに頼らなきゃ生きていけない。
私が頼るなら貴方が良いわ。
そうして、しがみつく様に私は彼の蒼海の衣を握り締める。
「望美?」
九郎サンは困惑した様にで私の名を呼ぶ。
「…あと、少しだけ。このままで居ても‥」
「ぁあ。」
私の問いを先読みして彼は言う。私は我が儘かもしれない。実現出
来そうにもない事を願う。
"とわにこのままで居たいと"
声に出さずに呟いて、私は神子へと戻る。 人の私は暫く封じよう。
そして私は戦場に赴く。
「…龍神の神子は、春日望美は此処にいる。」
貴方の為に私は戦う。
想いは伝えずに。
終わり。
携帯の肥やしになっていたものです。
九郎はあまりすきじゃないけど書きやすい。
そう思います。
結局いじりやすいから〜
嫌いじゃないんだよ。でもなんだかな〜
九郎は可愛い!!って感じがします。
泣いてはいけない、
此処は戦場だから。
私は、神子だから―
「―かのものを封ぜよ。」
眩い光と共に怨霊は消え失せて、私に少しの罪悪感を残す。事実上初めての怨霊封じ、でも、本当は何度もやってきた。
宇治川の戦い―
私はあの人を救う為に、もう一度やり直す。この時から―
「私が白龍の神子です。」
私は彼の前で言う。
―
「龍神の神子なんておとぎ話じゃないのか?」
その声を聞きたくて、彼を見た瞬間、私は涙が溢れ出そうだった。
でも私はそれをぐっと我慢して、彼に頼む。「戦いに連れていって
くれ」と勿論、彼は反対するだろう。
それでも私は彼に付いていく、嫌われても良い、彼が生きていれば
良い。
多くの人を斬って、私の手は血にまみれる。赤く染まった私を抱き
締めてくれる人など居ない。
「望美!探したぞ。」
彼は私の手を無邪気に掴む、私は顔を見せたくなくって、背けた。
だって、私の顔はきっと、
「血だらけじゃないか。」
彼はそう言って、白い袖で私の顔を無造作に拭いた。
「戦場に出したのには俺にも責任がある。怪我はないか?」
私は答えられなくて、首を横に振った。
「望美は無理はしなくて良い。」
「してないっっ。」
「してる。」
「し…てないっ。」
私は頑に言う。
パンッッ、私の頬に軽い衝撃。
「人を斬ることを辛くないと思う人はいない。」
私は九郎サンに頬を叩かれていた。涙は出ない、只驚いた。
「…くろ‥うさん…?」
「俺だって‥辛いんだ‥兄上の為とはいえ、無関係な人まで戦で死
んでいく。」
私は頷く。九郎サンの気持は解る、痛ましいほど…この人も又、手
を血に染めてきたのだ。私よりもずっと前から―生にしがみついて
、肉親の為に。
「―ごめんなさい。」
私は思わず謝った。打たれた頬が痛む、それは彼の心の痛さ。
「謝らなくて良い、悪いのは俺だ。お前は女なのに…」
心をいくつにも分けられないし、一気に色々考えられない。
「そ・それに―」
九郎サンはそんな未熟な私に言葉を紡ぐ。
「お前は一応‥俺の許…嫁だからな。」
彼は顔を真っ赤に染めて言う。一方通行の気持は繋がる時が来る。
「特別扱いしても良いだろう?」
それでいて、とても強引なんだ。気持が此では溶けてしまう。この
人は簡単に私の中に入ってきてしまう。
「‥九郎サンは…ずるい。だって無垢なんだもん、一途で真っ直ぐ
で‥私は脇見ばっかりで、一つのことを考えられない。」
私が逃げようとすると、九郎サンは私の袂を掴む。
「な…何?」
「ずるいのはお前だ、そうやって、逃げて答えを言う機会を与えな
い。俺だって言いたいことがあるんだ。」
強い光を放つ眼差しに私はかなしばりにあったように動けなかった
。いままでが崩れ落ちるようで。怖かった。
「私は…逃げてない。だから此処にいるの‥九郎サン」
「俺にはお前が戦うことで…」
「‥っ言わないで…解ってる…」
私はもがいて必死に九郎サンから逃げようとした。そんな私を彼は
強く抱き寄せる。
彼が起こした行動に私は心底驚いて、少し上にある彼の顔を見た。
彼の顔は照れたように真っ赤で、その表情がとても私には可愛く見
えて、でも彼の出す声はきっぱりとしていた。
「‥神子で有ろうとしているように見える。俺は、お前が神子で無
くても、一緒に戦いたい。」
「‥こんな…血だらけでも?」
私の目には涙がいつの間にか溜っていた。
「…一緒に戦ってくれるか?」
「私で良ければ、私で良いなら。」
私は泣いている顔を見られたくなくて、うつむいて返事をした。
「なっ・泣くな。泣かせるためにいったんじゃないぞ。」
九郎サンは慌てて私にそう言った。その言葉がとても彼らしくて、
私はそんな彼がとても好き。
私は所詮人間で弱いから、誰かに頼らなきゃ生きていけない。
私が頼るなら貴方が良いわ。
そうして、しがみつく様に私は彼の蒼海の衣を握り締める。
「望美?」
九郎サンは困惑した様にで私の名を呼ぶ。
「…あと、少しだけ。このままで居ても‥」
「ぁあ。」
私の問いを先読みして彼は言う。私は我が儘かもしれない。実現出
来そうにもない事を願う。
"とわにこのままで居たいと"
声に出さずに呟いて、私は神子へと戻る。 人の私は暫く封じよう。
そして私は戦場に赴く。
「…龍神の神子は、春日望美は此処にいる。」
貴方の為に私は戦う。
想いは伝えずに。
終わり。
携帯の肥やしになっていたものです。
九郎はあまりすきじゃないけど書きやすい。
そう思います。
結局いじりやすいから〜
嫌いじゃないんだよ。でもなんだかな〜
九郎は可愛い!!って感じがします。
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